賃貸物件に申し込みをすると、
契約前に「入居審査」というステップがあります。
入居審査は物件を安心して貸せる人物かどうか確認する作業です。
勤務先や雇用形態、年収など収入面のチェックが中心ですが、
場合によっては見た目や態度も重視されます。
この記事では、入居審査の基準や、
審査を通りにくい人の特徴をご紹介していきます。
賃貸物件の契約時に行う入居審査とは
不動産の契約の際には、
借主・保証人に対して審査が行われます。
はじめに「この物件を借りたい」と申し込み、
入居審査を通過すると実際の契約に進めるのです。
まずは、賃貸契約の審査に関する基礎知識をご紹介していきます。
入居審査はなぜ必要?
入居審査は貸主が持っている部屋を、
安心して貸せるかどうか見極めるために行われます。
審査なしで貸してしまうと、収入が不十分で家賃を滞納したり、
トラブルを起こして貸主やマンションの他の住民に迷惑をかけたりということが起こりかねません。
それを防ぐために、借主の年収や借金の有無、
違反や犯罪歴がないかなどを調査し、
入居審査を行う必要があるのです。
入居審査に必要な書類
入居審査に必要な書類は、以下のものがあります。
・入居申込書
・本人確認書類の写し(運転免許証・保険証など)
・収入を証明できる書類(源泉徴収票・課税証明など)
ただし、審査の方法や賃貸契約の手続きは
不動産会社によって違うため、
必要な書類は必ず上記の通りとは限りません。
実際に必要な書類は、その時契約する
不動産会社に確認しましょう。
また、上記の書類は借主本人だけではなく、
連帯保証人の分も必要になる場合があります。
入居審査の流れと審査にかかる日数
入居審査にかかる期間は、
一般的に3~7日ほど。
具体的な日数の内訳は、
不動産会社が必要書類を準備するのに1日、
貸主による書類確認や在籍確認などの調査で1~3日、
審査で1~3日というイメージです。
全てスムーズに進んだとしても、
審査には最低3日はかかると思っておきましょう。
入居審査後のキャンセルは可能?
入居審査を行なった時点では、
まだ賃貸契約は締結されていません。
申し込みをして入居審査を行なったものの、
納得いかない箇所が見つかった、
他に気に入った物件があったなどの理由でキャンセルすることは可能です。
基本的に、契約締結前のキャンセルはペナルティなしという場合が多いですが、
貸主と借主の認識の違いによってはトラブルになるケースも。
「諾成契約」といって、実際に契約書に署名はしていなくても、
双方の契約の意思が確認できた場合に契約とみなすという考え方もあるのです。
少しでもキャンセルをする可能性がある場合には、
入居審査の前にキャンセルの扱いはどのようになっているのかを確認しておきましょう。
賃貸物件契約での入居審査【3つの基準】
賃貸物件の入居審査には、
大きく分けて以下の3つの基準があります。
①家賃をきちんと払えるか
②保証人はどんな人か
③入居する人はどんな人か
それぞれの基準について、詳しく解説していきます。
①家賃をきちんと払えるか
入居審査でもっとも大きな比重を締めるのが、
「家賃をきちんと払えるか」ということ。
貸主にとって一番の心配事は、
物件を貸したにも関わらず家賃を回収できないことです。
そのため、収入額や貯蓄額は必ず審査されます。
具体的には、月収が家賃の3倍以上あれば
審査に通ると言われています。
また、過去に家賃やクレジットの支払いに滞納があると、
審査は厳しくなります。
②保証人はどんな人か
入居審査では、借主だけではなく保証人の情報も審査されます。
内容はほぼ借主本人と同じで、
十分な家賃の支払い能力があるかどうかが重要です。
入居審査時には、不動産会社や貸主が保証人に
電話をするため、保証人になってくれる人には事前に連絡をしておきましょう。
③入居する人はどんな人か
借主本人の情報は収入面以外も審査されます。
職種・勤務先・勤務形態・勤続年数などは、
申込書に記載した内容が正しいかどうか会社に電話で確認があります。
会社のサイトにアクセスして、
会社の規模について調査することも。
また、社会的な立場だけではなく、
態度・言葉遣い・見た目など、入居後にトラブルを起こす
可能性が低そうかどうかも審査基準です。
申込書に添付した免許の番号から、
過去の違反や犯罪歴を調べられることもあります。
入居審査が通らない人の特徴
入居審査に落ちてしまうと、
どんなに気に入っていてもその物件の契約はできません。
賃貸物件の入居審査に通りにくい人の特徴を一覧でご紹介していきます。
定職に就いていない
定職についていない方は、
入居審査に通るのがかなり厳しいです。
無職の方はもちろん、学生・パート・アルバイト・派遣社員の方なども、
安定性が低い順に審査は厳しくなります。
ただし、現在は定職に就いていなくても就職先が決まっていたり、
連帯保証人に十分な信用があったりといった場合は審査に通ることも。
また、家賃の24ヶ月分以上の貯蓄があれば、
無職でも入居審査に通りやすいです。
家賃に対して収入が低い
安定した収入があっても、
金額が家賃に比べて低いと入居審査を通りません。
基準となるのは、月収=家賃の3倍以上。
収入に比べて家賃が高い物件に入居するのは難しいので、
お部屋探しの段階で、自分の月収から適正な家賃を計算してみましょう。
支払いの滞納歴がある
家賃やクレジットの支払いに滞納歴があると、
入居審査は厳しくなります。
絶対に審査を通らないというわけではありませんが、
こういった方は現在の収入や貯蓄額の基準が一般よりも高くなりがちです。
将来スムーズに賃貸契約をするためにも、
各種支払いは滞納しないように気をつけましょう。
本人と連絡が取りにくい
他の点で特に問題がなくても、電話に出ない、メールの返信が遅いなど、
連絡が取りにくい借主には貸主が不信感を抱きがちです。
ルーズな性格で、入居後も家賃が滞りがちになるのでは…
というイメージを持たれかねないので、
貸主・不動産会社とのやりとりにはテキパキ対応しましょう。
仕事などで連絡が取れない時間帯がある場合は、
先に伝えておくのがおすすめです。
書類に不備がある
書類に不備があると、確認に手間取って審査が遅くなりがちです。
また、年収や勤務先・勤務形態に間違いがあるなど、
偽証と取られるような不備があるとまず審査は通りません。
そもそも、賃貸の申込書ほど重要な書類に不備がある人は、
性格や注意力に問題があると捉えられかねないので、
書類は提出前にしっかり確認しましょう。
見た目で判断される場合も
最終的には、賃貸契約は貸主や不動産会社が
「この人に貸しても大丈夫」と思うかどうかです。
そのため、極端に派手な服装やルーズな雰囲気、高圧的な態度など、
見た目や態度が理由で審査を落ちる可能性もあります。
見た目で悪いイメージを与えると、
その他の審査も厳しくなりがちなので、
物件の見学や契約にはそれなりに身なりを整えて行くようにしましょう。
賃貸物件契約時の入居審査に通るコツ
入居審査に通る可能性を高めるために、
審査で重視されるポイントや審査に通るコツを知っておきましょう。
家賃は年収の36分の1以内に
繰り返しになりますが、
審査で基準となる収入は、月収=家賃の3倍以上。
年収でいうと、家賃=年収の36分の1以内なら審査に通りやすいです。
一人暮らしではなく、夫婦共働きの場合は、
契約者を2人にして年収を夫婦合算すると、
実際の手取り収入に見合った物件を契約できます。
保証人は親族名に
入居審査では、借主本人だけではなく
保証人の情報も重視されます。
一般的に、保証人には家族や親族を選ぶため、
友人・同僚・保証会社などを保証人としている人には
貸主・不動産会社が疑問を抱きがち。
特別な事情がなければ、
家族か親族に保証人になってもらうようにしましょう。
また、保証人の年収や社会的地位が高ければ高いほど、
借主本人の信用が低くても審査に通りやすくなります。
不動産屋さんとよく相談する
審査に通らない可能性がある物件に、どうしても住みたい場合は、
まず担当の不動産屋さんに相談してみましょう。
審査には不動産会社も大きく関わるため、
不動産屋さんが借主の事情をよく知っていれば、
審査の基準が低くなる可能性もあります。
無謀な物件の審査に一か八かで挑戦するよりも、
まずは不動産屋さんに相談して審査を通りやすくする方法を探しましょう。
保証会社ごとに異なる審査基準を知る
入居審査の基準は、保証会社ごとに異なります。
例えば、月収に対する家賃の金額の比率は
一般的には「30%」ですが、会社によっては「25%」ということも。
また、年収に賞与を含めるかどうかなど、
細かな基準も会社により様々です。
保証会社は家賃の滞納があった場合に回収業務を行うため、
保証対象のエリア内かどうかや、家賃が容易に回収できる金額かなども審査対象。
実際に審査に出す前に、
審査をする会社の基準を知っておくといいでしょう。
それでも入居審査に落ちてしまったら?
基本的に、一度審査に落ちた物件には、
再度申し込みをすることができません。
入居審査に落ちてしまった時には、諦めて別の物件を探すか、
保証会社をつけて審査に通る可能性を高めて再挑戦する必要があります。
不動産会社に確認すれば、
審査に落ちた理由を教えてくれることもありますので、
対策を行って最善の状態で申し込めるようにしましょう。
まとめ
賃貸物件の入居審査は、
家賃の支払い能力を中心として様々な審査基準があります。
一度審査を落ちてしまった物件に
再度チャレンジすることは難しいので、
申込前にできるだけ審査に通る可能性を上げておきましょう。
審査に通るかどうか不安な場合は、
担当の不動産会社によく相談してみるのがおすすめですよ。
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