家賃交渉とは、賃貸物件の家賃を提示価格より値下げしてもらうこと。
大幅値引きは難しい場合が多いですが、
数千円でも交渉が通れば、
長い目で見るとかなり得することができます。
今回は、家賃交渉の方法や
目安となる金額について解説していきます。
家賃交渉のコツを知って、
気に入ったお部屋を安く契約しましょう。
賃貸物件の家賃交渉は準備から!
賃貸物件の家賃交渉は、
闇雲に「安くしてください」といってできるものではありません。
まずは、家賃を払う意味や家賃交渉のタイミング、
適切な値引き額を知っておきましょう。
そもそも家賃の使い道とは?
賃貸物件を借りると、
毎月家賃・管理費・共益費などを支払いますが、
このうち家賃は貸主の収入になる部分です。
家賃の金額は、貸主がその物件を購入した際の金額や利回り、
周辺の家賃相場・地価・需要などに基づいて決められています。
家賃は貸主が自由に決められるので、
交渉は貸主の意向次第。
「利回りを下げても空室期間を短くしたい」
「値下げをしなくても、借り手は現れるはず」など、
その時々の貸主の決断次第で交渉ができるかどうかが決まります。
誰にいつ行うかを確認
家賃交渉は、絶対に契約前に行います。
契約書にサインしてしまうと、
その契約書に書かれた家賃に同意したとみなされ、交渉はできません。
内見の時に値下げできそうかを確認し、
契約前の申し込み時に「いくらまで下がるなら契約します」と伝えるのが良いでしょう。
また、最終的に値引きの決断をするのは貸主ですが、
交渉は仲介の不動産業者と行うのがおすすめ。
貸主と借主の意向を調整し、
納得いく形にまとめるのも仲介業者の役目です。
欲張らない!家賃交渉の目安を知る
家賃交渉では、数万円もの大幅値引きは難しいです。
値引きしすぎて利回りが低くなると、
貸主が「他の借り手を探そう」と思ってしまいます。
また、集合住宅の場合、
一室だけ家賃が安いのを知られてしまうと、
他の住人からのクレームに繋がりかねません。
そのため、家賃交渉の目安は家賃の5%くらい。
家賃6万円の部屋の場合、
3,000円くらいの値下げが叶えば成功と言えるでしょう。
賃貸の家賃交渉成功のコツ① 時期を見極める
家賃交渉ができるかどうかは、時期による場合が多いです。
引越しが多く借り手が豊富なオンシーズンは家賃交渉が難しく、
借り手の少ないオフシーズンなら交渉が通りやすくなるでしょう。
1~3月の家賃交渉は難易度高し
1~3月は、4月からの新生活に向けて
お部屋探しをする人が増える時期です。
貸主側も「わざわざ値下げしなくても借り手は見つかる」と考え、
家賃交渉が通りにくくなります。
学校の新学期や、転勤の辞令が出ることが多い9~10月も同様です。
人気の物件の場合、値下げ前提の申し込みは、
値下げ不要の借り手より優先順位が低くなってしまい、
希望の物件が契約できないこともあるため注意しましょう。
家賃交渉しやすいのは7~8月
7~8月は、引越しをする人が少ないオフシーズンです。
「値下げしてでも借り手を確保したい」という貸主が多く、
家賃交渉も通りやすくなります。
集合住宅の場合、先に挙げたような理由で家賃の値引きは難しくても、
敷金・礼金の交渉ができることもあります。
賃貸の家賃交渉成功のコツ②物件を見極める
家賃交渉ができるかどうかは、物件によっても難易度が異なります。
基本的に、人気の物件ほど交渉が難しく、
不人気な物件なら交渉がしやすいです。
人気物件は家賃交渉が難しい!
毎日何件も内見が入っていたり、
複数の申し込みが集まったりしているような人気物件は、
家賃交渉が難しいです。
複数の申し込みの中には、家賃交渉なしで
契約したいという人もいるはずなので、
契約の際はそちらが優先されてしまいます。
駅近・新築など人気の高い条件でお部屋を探している方は、
家賃交渉は諦めたほうがいいかもしれません。
空室期間が長い物件は狙い目
空室期間が長い物件は、それだけ人気がないということ。
貸主も、借り手がつかないと収入が途絶えてしまうので、
「値下げをしてでも誰かに入居してほしい」と考えるケースが多いです。
不動産情報サイトに長期間掲載されているような物件は、
家賃交渉をしてみる価値があります。
周辺相場の家賃と比較してみる
家賃交渉をする前に、
その物件と周辺の家賃相場を比較してみましょう。
似た条件の物件より家賃の設定が高めの部屋は、
家賃交渉ができる可能性があります。
家賃の値引き額を交渉するときには、
根拠なく下げるよう頼むのではなく、
周辺の相場を引き合いに出してみましょう。
賃貸の家賃交渉成功のコツ③コミュニケーション
家賃交渉は人同士のやりとりなので、コミュニケーションが大切。
「この人は感じがいいから値引きしたい」
「感じが悪い人には値引きしたくない」という感情は、
不動産業者にも貸主にもあるのです。
高圧的な態度はNG!
家賃交渉でもっともNGなのは、高圧的な態度。
「値引きして当然」という態度や、
「この部屋はここがダメだから値引きしろ」という交渉方法では
相手の気持ちを害してしまい、
下がりそうな家賃も下がらない場合があります。
家賃交渉に応じるとき、不動産業者や貸主は値下げをしてでも
住んでほしい相手かどうかを考えています。
「下がったらありがたい」という気持ちを持って、
謙虚な態度でお願いしましょう。
「入居したい!」の本気度を伝えよう
もし家賃交渉に応じたとしても、
それが申し込みに繋がらなければ時間の無駄です。
さらに、値下げ交渉の結果が広まってしまうと、
他の入居者に「○○円まで下がる」という情報を与えてしまい、
その後の利回りが悪くなる可能性も。
そのため、不動産業者や貸主は、
「値下げすれば必ず契約する」という人の交渉にしか応じません。
家賃交渉の際は、「ぜひ入居したいのだが家賃が厳しい」という方向性で交渉し、
実際に値下げが通ったら礼儀として契約するようにしましょう。
書類の不備は印象ダウン
繰り返しになりますが、貸主が家賃を下げてくれるのは、
「値下げしてでも入居してほしい人」のみです。
申し込みの際の書類に不備があるとルーズな印象を与え、
「家賃を滞納するのでは?」「部屋を汚く使うのでは?」と疑われてしまいかねません。
その場合、入居審査を通らない可能性があり、
希望の物件が契約できないことも。
家賃交渉をするなら、書類をよりしっかりと揃え
間違いのないようにしておきましょう。
入居後の家賃値下げ交渉は可能?
入居後でも、家賃交渉は可能な場合があります。
ただし、何もないときに突然「家賃を下げてほしい」と
頼むのは不自然ですし、ハードルもかなり高いです。
何より、契約後2年間は、契約時に署名した
契約書の内容に同意していると見なされるので、
家賃交渉を行うと契約不履行になりかねません。
入居後に家賃交渉をするなら、更新時がおすすめ。
更新時には新しい契約書を作り直すため、
内容の変更にも応じてもらえることがあるのです。
共用部が汚れていたり、
設備が壊れたまま放置されていたりなどで貸主に落ち度がある場合には、
それを根拠に交渉がしやすくなるでしょう。
また、同じ建物内に空き部屋があり、
そちらの家賃が今払っている金額より安い場合には、
そちらに合わせるように交渉することもできます。
さらに、同じ物件に10年以上の長期間住んでいる場合には、
建物の劣化を理由に家賃交渉ができる可能性が高いです。
まとめ
賃貸の家賃交渉は、必ず契約前の申し込み時に行います。
最終的に値下げの可否を判断するのは人なので、
謙虚な態度で「この人になら貸してもいい」と思ってもらうのが大切です。
また、家賃交渉は本当に契約したい物件でしか行わず、
交渉が通ったら必ず契約・入居するのが礼儀です。
入居後にも、更新時には家賃交渉ができる場合があります。
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